最近、小学生くらいの子供たちにも、テレビで盛んに報道されている暗いニュースを見て、悲しい気持ちになる、とふさぎこむケースが増えているらしい。
ウチではテレビを観ないので、3人の子供たちは誰も、世の中の事を知らないが、もっと明るいニュースを見せてあげたいけど・・との嘆きの声を、お母さんから良く聞く。むしゃくしゃしたくらいで、子供を歩道橋から突き落とす。人としての心を失っているとしか思えない。
切れて尋常ではない行為に出てしまう人は、男の子・男性に圧倒的に多いが、何故多発するのだろうか。
義務教育がしっかりしていないから?学力が低下しているから?ゆとり教育の失敗?先生の質が落ちている?・・・そうして小学校に上がってからの学校教育に問題があるから、異常犯罪が多発するのだ、いじめもなくならないのだ、という論点は、何か違和感を覚えるだろう。
私は、こう考える。就学前の幼児教育が、ほとんど機能していない、と。
例えば、仕事の合間に安全を確保するだけの託児所・保育所や、教育の憲法でうたわれている程重要な自立心を育成する環境の不備、など食育・知育・徳育に相応しい教育ソフトの圧倒的な不足が指摘されよう。
そもそも保護者は、保育園等に対し、そこまでの期待をしていない、とも言える。
小学生に上がる就学前に、基本的コミュニケーションの力が身についていない子供が増えているため、小1問題といって、騒々しくてとても授業が成り立たない、という新聞記事もある。だから幼稚園等を義務教育化し、文部省主導で一貫教育を施そうとする政策グループもある。
では、未就学者に何を施せば、学校の問題は解決するのか。切れて殺人を犯す大人が減るのか。国には、何ら、ビジョンがないと思われる。
小1問題が起こる理由は、先生の指導力不足ではなく、昔にはあった「何か」が、就学前に身についていない、ということが原因だ。
では、昔(といっても10年から20年前から比べて)と何が違うかというと、今、3歳から5歳くらいの未就学児は、母親との接触の機会が著しく不足している、という実態が挙げられる。
恐らく(これはまだデータを調べていないが)、男女雇用均等法が出来た辺りから、女性の残業時間が増えたり、男性に負けないよう男性社会で頑張るキャリア志向の女性が増え、男性と互角に張り合える地位を獲得しようとするあまり、晩婚化が進み、あるいは結婚をしない女性がさほど、奇異な目で見られなくなってきたことと符合する。
日経を読む女性が「私には強いパートナーがいる」などという広告から推測するに、専業主婦より働く女性の方が「上」であるかのような風潮になり、結婚し子供が出来ても、また職場復帰するのが早まる傾向にあること、専業主婦が、人によっては忌み嫌うようなマイナスイメージが広がり、母親でいるより、働くことに生きがいを感じる傾向が、強くなってきているのではないだろうか。
こうした傾向と、子供にとっては母親と接触する時間が、昔に比べて極端に減ってきていることと、大いに関係がある。
乳児に至っては、ゼロ歳保育の発達は、ミルク育児の普及につながり、飲みやすいミルク育児は、双方にとっても便利であるゆえに、身体接触もますます減ってきている。母と子が触れ合う機会が激減しているのだ。
昔に比べて、異なる点は、母親との接触時間が激減していることに加え、もう一つ忘れてはならない点がある。
仮に母親が働かざるを得ない時でも、近所のおばさんや、おじいちゃんが面倒を見てくれたりと、比較的コミュニティが成り立っていた、という点も、押さえておきたい。
私の頃は、東京でも、持ちつき大会などあり、どの子が誰の子かは、皆知っていた。今住んでいる下関では、年中、子供が集う機会があり、同様の環境にあるが、子供が東京へ行って、見知らぬ人に「こんにちは〜」と、自然に挨拶すると、偉いわね、というより、(ぎょっと)意外な反応をされ、たいがい無視される。
教基法改正案のポイントA
教育の実施に関する基本(幼児期の教育)第11条
幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであることにかんがみ、国及び地方自治体は、幼児の健やかな成長に資する良好な環境の整備その他適切な方法によって、その振興に努めなければならない。
教育の憲法である「教育基本法」には、
幼児期は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要な期間である、と明記されている。
古くから伝わることわざに、「3つ子の魂、百まで」と言われていること、そのままであり、そこに異論を挟む余地はなかろう。
今、3歳までの幼児教育こそ、重要不可欠な問題解決の焦点の中での、言わば、ツボ中のツボであり、そこに手を加えぬことには、今の小中学校の荒れ放題の問題は、解決不可能と思われる。暴力件数は、小学生の方が中学生より増えているデータもある。
では、次回、幼児教育の問題点と、母親教育の核心に触れていく。
2007年01月20日
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