2007年01月11日

教育現場の悲鳴から考えられる将来予測その1≪教育基本法改正に想うシリーズB≫

個人向け不動産業を営む世界では、ある種のセオリーがあるらしい。小学校などの教諭同士で結婚した夫婦に、マイホームを勧めるとかなりの成約率があると言う。多額の退職金が双方から見込まれるため、「安心して」ローンが組めるというわけだ。
病院で人が死ぬと、遺族より誰よりも早く葬儀屋が駆けつける仕組みになっているのは、業界の常識(らしい)であるのと同様に、教諭同士の結婚が決まると、不動産業者と銀行がいち早く情報をキャッチする営業システムになっているのであろうか。

それはともかくとして、将来に対し、安心した生活設計が出来るはずの学校の先生の現場は、私の時代にはあり得なかった悲惨な状況もあるという。

それなりにストレスの多い職場であることが想像できるが、ここまで酷いのか、という新聞記事が、昨年後半に立て続いた。
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心病む教員、4000人超 10年で3倍に急増(山口新聞2006年秋)
病気休職教員最多7017人・6割がうつ・ストレス(文科省調べ)
心の病 休職教員4000人超「学校は今、慢性疲労状態。だれもがうつ状態になりかねない」(精神神経科部長談)と警告している。(読売新聞2006年12月16日)

行政もまたこうした事態と同様だ。

「心の病」休職者が急増 下関市役所メンタルヘルス対策実施へ 専門医による相談件数も急増。休職予備軍も膨れていることを裏付ける。(毎日新聞10月25日)


教職員の精神的ストレスは極限に来ているし、行政の責任者である市職員の精神的ストレスも、極限まで達していると考えられる。
これら教育現場と行政の悲鳴から考えられる将来予測は、あまりしたくない。
子供のいじめ問題の解決策を講じる以前に、いじめの現状を早期に発見・対処できる心的ゆとりがないという実態が、明るみに出たからだ。

その上、いじめ件数をゼロで報告しないと、先生としての首が飛ぶ。そうなれば退職金まで当て込んで組んだローンを支払えない。タダでさえ書類作成に悩殺されて子供に面する時間がないのに、法改正で教員適性を厳しくチェックされ、報告項目も増える、などの事情で、心のストレスは、極限を突破し、更にうつ患者が増え続けるに違いない。

「お上」に逆らえない校長や、教育長は、現場の声を上に上げることが難しくなり、学校教育の現場が、おおむね金縛り状態が続くだろう。

母親もまた、日常に悩殺されて、日々の家事育児に埋没し、子供のSOSに気がつく心のゆとりや、穏やかな気持ち、心の変化に気がつく身体感覚が、欠落しがちだ。

ということは、いじめなど問題が発覚してからの今の国の対応策は、全て、責任は誰が取るべきか、という事を事後処理的に決めていく手立てにすぎず、問題の解決を図るものではない、ということが見えてくる。

いじめや虐待などの問題を解決する法改正やカウンセリングの充実などは、地震が起こったら、どう対処しようか、という議論に過ぎず、地震をどうやって予知し防ごうか、という問題解決ではない。
よって、文科省から教育委員会、校長まで締め付け・監視を厳しくすればするほど、組織の金縛り状態が強固になり、SOSの声、助けて!死にたい、という声という声は、完全に封印されるであろう。

その結果、緊急電話室の設置などの対策がなされるだろうが、間に合わない子供も出てくるのは、避けられない。だから、この世に与えられた「命」をほんのわずかな瞬間でも、大事にしなきゃ、と、奇跡的に思えた子供は、「引きこもる」。引きこもる場所へ、緊急避難する。

そう、学校へ行かない、という選択をすることで、自分に触れる機会を、半ば本能的に選択するだろう。その数は、既に50万とも100万とも言われているが、そんなものじゃない。学校そのものが成り立たなくなるくらい、激増するに違いない。よって、学級閉鎖で統合しクラスは半減。教員は、そんなにたくさん必要なくなり、大リストラ時代に突入する。ローンは破綻。銀行・不動産も被害を受けるだろう。しかし、人の死より尊い倒産・破産などあるわけがない。


国は、正しく問題を見据えれば、「不登校を容認する、必要とあらばホームスクールも奨励する」という政策を取れば、間に合わない子供も減り、目的を達成するのだが、秩序を維持しようともがくほどに、無秩序が拡散し、バラバラに解体される方向へ、自ら拍車をかけていることに気がついていまい。

生徒も先生も公務員も精神的ストレスから、うつとそれに伴う不眠の増加傾向が急カーブ曲線を描き、急増する。これは、間違いない予測であろう。
離婚率の増加や、家庭不和傾向の増加も追い討ちをかけ、子供はどこで何を学んだらいいか、ますます分からなくなる。

そうして悩む子供に与える薬は、ゲームの中にしかなく、現在、父母たちの子供たちへのプレゼント人気ナンバーワンの地位を誇るゲームソフト(任天堂調べ。新聞公表済み)は、もはや不動の地位を圧倒的なものとし、かくして、アルツハイマー症と同等の脳内構造を持つ子供が激増することは、避けられまい。
いわゆるゲーム脳に汚染された子供を襲う、未知なる精神病的脳内ウィルスには、どんな駆除ソフトが用意されるのであろうか。公園でもくもくとゲームをしている男の子たち。ゲームの中でしか、友達が出来ない、基本的な対話が成り立たない、ゆえに心が自立できない社会人不適応予備軍に与える薬は、ない。通り一遍のカウンセリングでは、歯が立たないだろう。

スクールカウンセリングを強化するほど、カウンセラー自身がうつ患者の仲間入りを果たすことは、時間の問題。
にも関わらず専門家と称して増員し、対応策にもがくほどに、学校を取り巻く環境は、乱れた精神波動を増大させ、逆スパイラルを描きながら、集団迷走を始める。そうした中、子供たちが集団自殺を図り、そのニュースを引き金に、次々同様の誤まった選択をしてしまうなど、何が起こっても不思議ではない状況へ、数年のうちに突入する可能性は高い。

マスコミは加害者か?など、その責任の所在を探しても、どこにも見当たらない、といった事態となり、国の責任を放棄したこたびの法改正は、「自分(子供)の身は、自分で(家族で)守れ」との警笛だったんだ、そうだったんだ、となるだろう。

あくまで論理的に突き詰めていった結果、予想できる可能性ではあるが、2007年は、最悪の事態を避ける上でも、大きな歴史的分基点となるはずだ。
なるはず、と書いたのは、事の重大さが、これほど大きいのにも関わらず、相変わらず何とかなるさ、と、のんきに構えている人が多いために、避けられる事態も、避けることが不可能かもしれない、という意味を込めています。
分岐点になるはずの今年が、ずれこんで、がけに向かって、ノーブレーキで進んでいるという日本の現状が見えず、急ブレーキ一つしない、果ては、景気はいいんだと、アクセルをふかす人が多いとも言える現状から見る未来は、私の予測では、まだ甘いのかもしれない、とも言えるのです。

今、急ブレーキを踏んでも、ある部分は、もう間に合わない、というのにも関わらず、目の前のがけを目前にして、脱出することもしない、させない。気がつきもしない。

気がついても、ローンがあるから、目をつぶる。子供の死よりも、声を大にして「お上」に逆らうことで、首になることを恐れ、老後の安泰を優先する。

今の学校教育環境は、そうした末期的な状況に向かっています。
posted by 大石 at 16:18| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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